土壌は何もしなくても酸性化することをご存じですか?
だから野菜を育てる時は、生育に適した土壌に整える必要があるんです。

栽培している野菜に影響でるの?

もちろん!
最悪の場合、枯れちゃうよ
つまり、野菜には、それぞれ生育に適した土壌があります。
そこで今回は土壌が酸性化する理由を踏まえて、野菜別ごとに適した土壌(pH)を紹介したいと思います。
酸性化する土壌をうまく管理できないと、病原菌が増殖したり、栄養素の吸収が悪くなったり、野菜の成長が阻害され、結果的に収穫も期待できません。

酸性度の管理はとても大切だよ
この記事からわかること
土壌は酸性にしやすい
土壌が酸性化する理由は、主に「雨水」と「肥料」です。
雨水には大気中の二酸化炭素が雨に溶け込むことで発生します。そのため、降り注いだ酸性雨の影響で土壌の酸化が進んでしまいます。
また使っている肥料によって、酸化するものがあります。

どうしても畑の土壌は酸性化する傾向にあるんだ
- 雨水による酸性化:雨水は大気中の二酸化炭素が自然に溶け込み酸性を帯びています。工業活動や自動車の排出ガスによって酸性化を促進される場合があります。
- 肥料による酸性化:硫酸アンモニウムや尿素などの窒素肥料は、土壌中で分解される際に酸を生成し、土壌のpHを低下させます。
土壌pH(ペーハー)で酸性化を把握

どうやって酸性化していることが把握するの?

酸化は数値で把握するんだ
一般的には弱酸性(pH5.7程度)と言われていますが、
酸性化は、pH(ペーハー)で把握します。
pHとは、0~14の値で化学性を計測する指標です。
酸性
ph0~6.9
中性
ph7
アルカリ性
ph7.1~14

pH7の中性を中心に酸性とアルカリ性の強度を把握するんだ
ちなみに一般的な雨のpH値は約5.6程度で弱酸性です。
他にも身の回りにあるもので、酸性には次のようなものがあります。
- レモン汁 pH 2.0~2.6
- 酢 pH 2.4~3.4
- 胃酸: pH 1.5 – 3.5
また、アルカリ性には次のようなものがあります。
- 重曹(炭酸水素ナトリウム)pH 8.3
- 石鹸 pH 9.0~10.0
- アンモニア水 pH 11.0~12.0
- pH値が低い:酸性度が強くなる
- pH値が7:中性
- pH値が高い:アルカリ度が強くなる
土壌のpHを計測する
pHのことがわかったところで、実際に土壌のpHを計測する方法を説明します。

土壌の酸性度をどうやって計測するの?

簡単なのは『土壌酸度計』を使うんだ
野菜には生育に適したpH値があるため、しっかりと数字で把握しておく必要があります。
計測方法は色々ありますが、土壌酸度計で計測するのが一番簡単です。計測器は、土壌に差し込み、その場で簡単に計測値を表示してくれます。
本ブログで、おススメしている土壌酸度計は『デジタル土壌酸度計(シンワ測定) 』です。この計測器は、土壌pH値以外にも様々な計測できるマルチ機能が特徴の優れものです。


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- 土壌酸度:pH3.5~pH9.0 最小表示pH0.5
- 照度計測(9段階表示):500Lux~60,000Lux
- 土壌温度:5~40℃ 最小表示1℃
- 土壌水分(5段階表示):土壌水分5%未満~30%超
- 塩分濃度(2段階表示):1.1%以上~1.0%未満
野菜別の土壌pH値
ここまで記事を読んでくれた方には、土壌pH値を土壌酸度計で計測できることがわかった思います。
では、実際に野菜別のpH値を見ていきます
作物別の好適pH表
(参考文献:土壌診断の方法と活用1996、農林水産省 健康な土作りマニュアル)
アカザ科 | テンサイ | 6.5~8.0 |
ホウレンソウ | 6.0~7.5 | |
アブラナ科 | カブ | 5.5~6.5 |
カリフラワー | 5.5~7.0 | |
キャベツ | 6.0~7.0 | |
ダイコン | 6.0~7.5 | |
ハクサイ | 6.0~6.5 | |
イネ類 | サトウキビ | 6.0~8.0 |
トウモロコシ | 5.5~7.5 | |
ウリ科 | カボチャ | 5.5~6.5 |
キュウリ | 5.5~7.0 | |
スイカ | 5.5~6.5 | |
キク科 | レタス | 6.0~6.5 |
キジカクシ科 | アスパラガス | 6.0~8.0 |
サトイモ科 | サトイモ | 5.5~7.0 |
セリ科 | ニンジン | 5.5~7.0 |
タデ科 | ソバ | 5.0~7.0 |
ナス科 | ジャガイモ | 5.0~6.5 |
タバコ | 5.5~7.5 | |
トマト | 6.0~7.0 | |
ナス | 6.0~6.5 | |
バラ科 | イチゴ | 5.0~6.5 |
ヒガンバナ科 | タマネギ | 5.5~7.0 |
ヒルガオ科 | サツマイモ | 5.5~7.0 |
マメ類 | アズキ | 6.0~6.5 |
インゲン | 5.5~6.7 | |
エンドウ | 6.0~7.5 | |
ダイズ | 5.5~7.0 | |
ラッカセイ | 5.3~6.6 |
Q&A
- Q土壌pHの酸性化が進むとどうなるの?
- A
野菜にとって不適な土壌では成長不順になります。また酸性度が強くなりすぎると病原菌になる糸状菌(カビ類)の温床になり、最悪の場合、野菜が枯れます。
- QpH値が低い(酸性化が強い)土壌のpH値を上げるにはどうすればいいの?
- A
苦土石灰や炭酸カルシウムなどのアルカリ性の土壌改良資材を混ぜ込みます。混ぜ込むことで土壌が中和され、pHを上昇させることができます。
- Q土壌pHはどのくらいの頻度で計測するの?
- A
一般的な家庭菜園では年に1回を目安に計測します。特に作物の植え付け前は、計測することで必要な土壌改良を行うことができます。
まとめ
- 土壌が酸性化する理由
- 主に「雨水」と「肥料」で酸化していく
- 土壌pHのこと
- 酸性(pH0~6.9)、中性(pH7)、アルカリ性(pH7.1~14)
- 土壌pH値の計測方法
- 土壌酸度計を土壌にさして計測
- 野菜別の土壌pH
- 作物別の好適pH表を参考に土壌pH値を整える
最後まで記事を読んでくれてありがとう!
今回は『なぜ土壌は酸性化するのか? 野菜別pHに整える』を説明しました。
みなさんも実際に定期的に土壌酸度計でph値を計測して、栽培する野菜に適したpHに整えてみてください。
本記事がみなさんの参考になれば幸いです。

おいしい野菜を育てましょう。
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