『最適な光』と『最適な呼吸』で野菜栽培

家庭菜園

野菜する時、光の強さを意識したことありますか?

おそらく経験的に『野菜には強い光を当てれば収穫量が増える』と考えてしまいがちですが、実はちょっと違うんです。

野菜が求める光の強さは、種類によってMAX値が違うんです。

はっぴー
はっぴー

え~!どういうこと!?

植物は光合成で『炭水化物』を作っています。

例えばトマトは1500~70,000ルクスの間で光合成をおこないます。

ルクス[lx]は光の明るさを測る単位です。例えば、晴れた日の屋外は約100,000ルクス、曇りの日の屋外は約20,000ルクス、室内の明るいオフィスは約500ルクスです。

つまり、1500以上の光がなければ、光合成をおこなわず、光の強さに比例して光合成の働きが活発になり、70000ルクスで光合成の働きは一定になります。

はっぴー
はっぴー

それじゃトマトは70000ルクス超は無駄?

はっぱー
はっぱー

そうなんだ。

それ以上の光があっても光合成の速度は変わらないんだ

一方、半日陰でも栽培できるミツバは300~20,000ルクスです。

このように野菜が要求する光の強さは、栽培管理するうえでとても大切になります。

今回の記事では野菜のが求める光の強さについて解説したいと思います。

この記事からわかること

  • 『光合成』と『呼吸』を踏まえた野菜の栽培管理
  • 野菜の光飽和点のこと

光合成と呼吸

野菜が求める光の強さを解説する前に光合成の基本についておさらいします。

野菜に限らず、植物は『光合成』『呼吸』をしています。

【光合成】
水と二酸化炭素と光で炭水化物を作ることです。

炭水化物は、デンプンなどの形で貯蔵し、光が不足する夜間や冬季などにエネルギー源として利用されます。
【呼 吸】
酸素と炭水化物等の栄養分を分解して、生きるために必要なエネルギーを作っています。結果として二酸化炭素を放出します。

そのため、野菜を栽培するうえでは、炭水化物をたくさん蓄えことが収穫量を増やすことに繋がります。

ここでのポイント

野菜の収穫量を増やすには、光合成で炭水化物を十分に蓄えさせ、呼吸を抑える管理が大切です。

光合成と『光の強さ』の関係

それではどのくらいの光の強さが必要になるのでしょうか?

野菜の光合成特性

光要求光飽和点※野菜の種類
強光40,000ルクス超キュウリ,トマト,ナス,ピーマン,ジャガイモ,ダイコン,ニンジンなど
中光20,000~40,000ルクスキャベツ,ハクサイ,レタス,ネギなど
弱光10,000ルクス以下ミツバ,セリ,シソなど

光飽和点とは、植物が光合成を行う際に、光の強さが一定以上になると、それ以上光を強くしても光合成の速度が増えなくなる点のことです。つまりどんなに光を強くしても野菜は「光はもういらない!」という状態です。

呼吸と光合成量のバランス

植物の呼吸作用は、温度が高いほど活発になります。

呼吸作用が活発になると、植物は昼間に光合成で蓄積した炭水化物をエネルギーに変換して活動します。

もちろん呼吸によって変換されたエネルギーは、生命を維持するための活動※として使用されます。

例えば、根から吸収した水分や栄養分を植物全体に運ぶためのエネルギーとして使用されます。

しかし、せっかく蓄えた炭水化物が過剰に消費されると収穫量に影響します。

したがって、呼吸を抑えるため、適切な温度管理を行いエネルギーの消費を最小限に抑えることが重要です。

呼吸を抑えるためのポイント

夏の昼間は、遮光シートなどで適温を維持することが非常に重要です。

まとめ

『最適な光』と『最適な呼吸』で野菜栽培
  • 光合成の速度は、光の強さに比例する。
  • 光飽和点以上の光を当てても光合成の速度は速くならない。
  • 呼吸によって蓄えた炭水化物が消費される。
  • 収穫量を増やすには呼吸を抑えた管理が必要になる。

温室栽培では、『変温管理』により栽培方法があります。

変温管理は、夜間の温度を一定に保つのではなく、時間帯によって温度を変える方法です。

例えば、日没直後は比較的高い温度を保ち、深夜には温度を下げ、日の出前には再び温度を上げることで、植物の呼吸を抑え、エネルギー消費を最小限に抑えることができます。

夏場の高地栽培された野菜が甘く感じるのはこのためです。

光飽和点で『最適な光』、温度を抑えた『最適な呼吸』で美味しい野菜を栽培しましょう。

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