ミカンの葉が黒くなっていませんか?
葉や実に『すす』がついたように黒くなり、拭くと取れます。


う~ん? 何かの汚れ?

汚れじゃなくて「すす病」だよ
私は、はじめ何かの汚れが付いたのだと思っていました。
でも実は、ミカンは「すす病」という厄介な病気が発生しやすい果樹なんです。
それに気づかず対策が遅れてしまうと
- 収穫量の減少
- 樹木の衰弱
- 美観の保護
今回の記事では、ミカンなどの柑橘類果樹に発生しやすい「すす病」の原因と対策(防除方法)について解説したいと思います。
- すす病が発生する原因
- すす病が発生した時の対策

『すす病』は早めに対策しよう
すす病とは
すす病は、糸状菌(カビ)が原因で発生する病気です。
このカビは、空気中のすす病菌が、枝、葉、果実に付着したほこり、害虫の排泄物を栄養源として繁殖します。
害虫は『カイガラムシ』や『アブラムシ』です。
柑橘系の果樹では冬期にカイガラムシによる被害が目立ちます。
このすす病が発生しても直ちに枯れることはありませんが、早めの対策が必要です。
【収穫量の減少】
葉が黒ずむので光合成が阻害されます。放置すると樹木の生育が阻害され、果実の収穫量が減少します。
【樹木の衰弱】
カビの発生で光が葉に届かず、樹木の生育に悪影響が出てしまい、衰弱しやすくなります。
【美観の保護】
葉や果実が黒ずんでしまうため、樹木の美観が損なわれます。


カイガラムシは体長1~10mmほどの小さな虫で、基本的に細長い口吻(口針)を植物の幹や茎に差し込んで、養分を吸汁しながら生活しています。世界中に約7000種類以上いるとされる。
引用:フマキラーHP

その他発生しやすい果樹には、梅や柿などがあります。
すす病を引き起こす原因
すす病は、カイガラムシの排泄物などにすす病菌が付着して繁殖するため、カイガラムシが原因であることは間違いありません。
カイガラムシを発生させている原因は一体何でしょうか?
実は『環境』なんです。
風通しや日当たりが悪く、空気がよどんで湿度が高くなると発生しやすくなります。
心当たりはありませんか?
- 不要な資材で風通し悪くなっていませんか?
- 伸びすぎた樹木で日照が遮られていませんか?
- 雑草が伸び放題になっていませんか?
- 密植状態になっていませんか?
もし、すす病が発生したら『カイガラムシ』発生のサインです。
害虫の早期発見、早期予防そして環境改善を図りましょう。
すす病の対策(防除方法)
害虫であるカイガラムシを完全に除去するのは大変です。
- 手作業による害虫除去
- 剪定による害虫除去
- 薬剤による害虫除去
手作業による害虫除去
すす状のカビを発見したらその上にある葉の裏や枝にいるカイガラムシを探し、見つけ次第、歯ブラシやヘラなどを使いこすり落としていきます。
カイガラムシは、成虫になると硬い殻やロウ物質などに覆われてしまうため除去しづらいです。
剪定による害虫除去
柑橘類の果樹は、常緑樹で葉が密生しているので、いったん被害が出てしまうとカイガラムシだけを除去するのは容易ではありません。
一度、まとまって群生している葉や枝を思い切って剪定します。
切り取った葉や枝はそのままにせず、袋に詰めて処分しましょう。

薬剤の散布
柑橘類のすす病に適用する薬剤はありません!
原因害虫であるカイガラムシを防除する薬剤を散布します。
おススメの薬剤である『キング95マシン』を希釈して散布します。
- 冬期 30~45倍
- 夏期 100~200倍
![]() | 価格:570円 |

『キング95マシン』商品特徴
- 通常の薬剤では駆除の困難な成虫のカイガラムシ類やハダニ類の薬剤です。
- 害虫を油膜で覆って窒息死させるため、効果的に退治することができます。
引用:キング園芸㈱ホームページ
Q&A
- Qすす病は他の果樹にも感染しますか?
- A
感染する可能性があるため、早めの対処が必要です。
- Qミカン以外ですす病にかかりやすい果樹は?
- A
ブドウ・リンゴ・カキなども『すす病』にかかりやすい果樹です。
まとめ
- すす病の発生原因
- 害虫(カイガラムシ)の排泄物を栄養源として発生する『すす病菌の繁殖』
- すす病の対策
- 『手作業による除去』、『まとまって剪定』、『薬剤散布』
- 根本的対策は、カイガラムシなどの害虫が近寄らない環境を作る
定期的な観察と適切な管理を心がけることで、すす病の発生を予防しましょう。

最後まで記事を読んでくれてありがとう
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